プスタ
ヤン・ヴァン・デル・ロースト
 東ヨーロッパ地域はかつて学校の歴史の時間に様々な民族が混在する係争地「民族の交差点」と習いました。それゆえ「ジプシー」と呼ばれる流浪の民が生まれたのでしょうか。ジプシーは流浪の民としてだけではなく、その音楽でも知られております。その独特でエキゾチックな音楽は異国の人々も魅きつけるようで、有名なところではブラームスやリストもジプシーの音楽様式での作品をのこしています。
 ヤン・ヴァン・デル・ローストの「プスタ」もまたジプシーの音楽を扱った曲です。作曲者によると「プスタ」とは東ヨーロッパから中央アジアにかけての草原の広がる地域の呼び名だそうで、ジプシー舞曲のタイトルとしてふさわしいと考えて曲名に選んだそうです。
 曲は全部で4つの部分に分かれており、それぞれジプシー音楽の様式で書かれていますが旋律は全て作曲者のオリジナルです。
 この曲は1987年青少年のための音楽講座のために、弦楽器、ピアノ、管楽器から成る小編成のアンサンブル曲として作曲されました。その後吹奏楽のために編曲され、1987年12月15日ノルベージ・ノジ指揮、ベルギー・ギィデ交響吹奏楽団により初演されました。