仮面幻想
大栗 裕
 「新鳥蘇」という大陸から伝わった舞楽の面。卵形の輪郭、下がった目尻、鯰ひげをつけた道化の面。大栗氏はこの面からイマジネーションをかきたてられ「仮面幻想」を作曲しました。
「この仮面のもつユーモラスな感じと、アルカイックな笑い、それに明るく舞われたという伝承を私なりに音楽化した(大栗氏による解説)」作品です。
 大栗氏は1918年大阪の生まれ。ホルン奏者として1966年まで関西交響楽団(現在の大阪フィルハーモニー交響楽団)で活躍しました(ちなみにスコアには「校訂 朝比奈隆」と書かれております。氏との接点はこのあたりにあるのかもしれません)。一方で吹奏楽曲も多数作曲しており、この「仮面幻想」の他「吹奏楽のための『神話』〜天の岩屋戸の物語による」「吹奏楽のためのバーレスク」等があります。