風紋
保科 洋
 この曲は全日本吹奏楽連盟の委嘱により1987年に全日本吹奏楽コンクールの課題曲として作曲されました。当初、作曲者の意図したものはこの曲よりも長いものでしたが、コンクールの課題曲として、制限時間に合わせて縮小されました。後に作曲者は「改訂版」として当初の発案によるものを改めて書いています。作曲者は当初このことを苦々しく思っていたようですが、作曲者自身の言葉によると、コンクールでの演奏を聴いているうちに「この曲なりにまとまった内容をもっているかのように洗脳(?)され、妙な安堵感をもたらされた」とのことです。また続けて「作品とは、子供のように生みの親の想いに関係なく自立していくのものであろうか」とも述べています。この曲は作曲者の本意から生まれた曲ではありませんが、曲としてきちんと自立し、素晴らしい作品として演奏され続けています。